レジで売上をまちがえて打ってしまったら

レジ操作は第一に顧客本位。でも、やっちゃいけないことをやってしまっては信用がなくなりますから元も子もありません。 接客のフロントラインでお金を扱っているんだというプライドと責任感をもって、まちがってもあわてず、落ちついて、笑顔のおもてなしが大切です。

取消ステップ

レジ操作をまちがったときは、
もういちどすぐに正しい操作をやり直す‥‥(1)

さっきまちがって打ちこんだデータをもとにやり直す‥‥(2)

どっちか早いほうで、
とにかく早く正しいレシートを出してください。
そして、
まちがって打ちこんだデータを取り消す‥‥(3)
という順番です。
品数が少なければ、
(1)をおすすめしますが、
操作に慣れた方は、
(2)のほうが早い場合もあります。
これについてはあとで詳しく説明します。
(1)の説明は省きますが、
(2)(3)はほとんど同じ手順です。
まず、
「レジ操作ログ」を開いてください。

これまでに処理した売上の一覧がずらーっと出てますから、
担当者や時間や金額から、
訂正または取り消すデータを選んでください。
(上の図では赤線のデータだったとします。)
該当するデータのボタンを押していただきますと、
お買い上げ一覧(レジで打ちこんだ内容)が出てきますので
合っているかどうか確認してください。

(2)訂正なら「取消後の改正」ボタンを押します。
ボタンには「取消後」と書いてますが、
先にやってもかまいません。
(3)取り消しなら「取消処理」ボタンを、
押してください。
ここでは(3)取り消しで説明しますが、
取り消しの場合、
まちがったデータの数量がマイナスになった状態で、
画面が出てきます。

これでそのまま精算してください。
(2)訂正の場合は、
ちがう部分だけ直してください。
もし、
「クレジット」払いを「現金」で処理してしまった場合は、
「現金」をそっくりそのままマイナス処理で取り消し、
訂正で「クレジット」で打ち直します。
おあずかり欄で〈F2〉キーを押して、
複合精算(お支払い方法ごとに金額入力)へ進んでください。

操作は以上で、
いたって簡単ですが、
意味がわかってないと何回もまちがってしまいますので、
新しく入られた方はここから下の説明も読んでおいてください。

まちがえる前に心の準備を

システム導入時の研修を受けずに途中採用された
新人のパートさん、アルバイトさんに、
特に気をつけていただきたいことがあります。
レジ精算で売上処理の操作をまちがって、
まちがったレシートが出てしまったら、
そのまま渡してはいけません。
あやまったら済む

思ったらそれはまちがいです。
現金さえ合ってたらレシートがまちがっててもかまわないw(゚o゚)w
という方針のお店もあるようですが、
そこは確認してください。
当社の答としてはアウトです。
そこであわててウチに電話してきてもいけません。
すぐ近くに先輩がいたら‥‥
呼ぶのはいいかもと思います。
じゃあどうすればいいか?
いちばん大事なのは、
目の前のお客さまに気持ちよくお買い物をしていただくことですから、
とにかく
不快な思いをさせないこと

最優先に考えると、
笑顔キープで落ちついて応対し、
お待たせしないことが肝心です。
かといって、
デタラメな精算をするのもいけません。
商品現金レシート
は、
常にイコールな三角関係でなければなりません。
なので、
すぐに正しい処理をもういちどやり直して、
正しいレシートを出して渡すのがベストです。
さっき打ちまちがったデータの、
まちがった箇所を直して‥‥っていうのが早い場合もあるでしょうが、
慣れてないうちは
もういっぺんはじめからやり直すほうが早いんじゃないですか?
先に取消処理をして、
それから訂正っていう順番では、
お客さまを待たせすぎてしまいませんか?
取消処理はあとからでもできます。
レシートを出してしまう前の打ちまちがいなら、
画面上で取消や変更ができますが、
レシートが出てしまった後であれば、
5品くらいまでなら打ち直しのほうが早いはずです。
ただし、
10品、20品とたくさんのお買い上げ点数がある場合なら?
たしかに、
さっきのデータを呼び出してきて
まちがった部分だけ訂正するほうが早い場合もあります。
そういういろんなケースを想定して、
心の準備をしといていただきたいのです。

「まちがっててもいいよ」と言われたら?

数量10個のところを
「0」をひとつよけいに押して100個にしちゃった
とか、
最後に10%の値引きサービスを忘れた
とか、
1品だけ打ち忘れて合計金額が
実際より安くなってしまった
とか、
ミスはいろいろですが、
レシートを見てまちがいに気づかれたお客さまが
>いいよ、いいよ。
>お金はぴったり渡すから。
>レシートはもうこれでいいから。


言われたらどうしましょう?
お客さんの言われることは神さまの言葉と同じ!
でしたか?
ダメですよ。

商品現金レシート
は、
常にイコールな三角関係でなければなりません
って、
さっき言ったばっかりですよね。
だからといって、
>あ、
>すいません。
>いまから正しいレシート出し直しますから、
>ちょっと待っててください。

なんてのもマズいです。
じゃあどうするか?
レジの混み具合

お客さまの心情

打ち直しに要する時間
など、
いくつかの条件をとっさに総合して
機転
ってものをきかせる。
和気あいあいと世間話をしながらでも、
指を動かせるあなたかどうか。
お客さまの言うとおりにして、
実際とちがうレシートを渡して、
おかげで処理は速く終わったとしても、
>お金にルーズな店だ。
と、
そんな印象を与えてしまったとしたら、
一時的には感じよくても、
長い目で見れば心が離れていきます。
すべては状況判断です。
こういう場合でも、
とにかく笑顔で平謝りに謝りつつ、
せめて合計金額だけでもペンで直して、
お店のハンコを押す

くらいの機転をきかせていただければ

思います。
店長以上の役職の方が、
これとはちがう指示をされた場合や、
接客マニュアルがある場合には、
そのとおりにやっていただいていいんですけど、
イレギュラーな処理で対応した場合、
あとで現金が合わなくなります。

ポスレジっていうのは、
入力された数字のすべてがコンピュータに記録されて集計されます。
現金が合わなくなるだけじゃなく、
お客さんごとの売上や、
担当者ごとの売上、
商品ごとの売上‥‥、
いろんな数字がごちゃごちゃになってたいへん
なんです。

いちばん大切──正しいレシートをすぐ出す

ポスレジは、
ただのレジとはちがいます。
お金さえ合えばいいよっていうレジとはちがうんです。
>商品ボタンを押しまちがったけど、
>たまたま単価がいっしょだったから、
>金額は問題ありませんでした。
>ラッキーです(*^_^*)!

──じゃないです。
ポスレジは、
どの商品が何個売れたか、、
割引チケットはどの種類が何枚使われたか
誰が買ったか
‥‥みたいなことを、
きちんと管理するためのレジです。
>現金が合いました。
>完ぺきです。
>じゃあ帰ります。

じゃ
ないのです。
だから、
きちんとしているお店じゃないと使えません。
お金や商品の管理にルーズでいいなら、
ポスレジなんていらない
のです。
それに、
スタッフさんのこと疑うわけじゃないんですけど、
売上がごまかされて、
レジの現金が盗まれるのを防ぐっていう目的も当然あります。
レシート破ってゴミ箱に捨てておしまい
みたいなことだと、
盗み放題
ですよね。
とりあえず出数(でかず)の一覧表もサッと出ますから、
きちんと棚卸してなくっても、
在庫が合わないと気づきます。
>まちがったお買い上げを取り消したいだけなのに、
>なんでそんなめんどくさいのよ!
>レジのくせに!

って、
怒ってる場合じゃないですよ。

まちがえたデータを取消処理する意味

取消処理は、
お客さまがレジに並んでないタイミングを見はからって、
落ちついて操作してください。
迷っている時間も惜しいので、
打ち直しを推奨したわけなんですが、
そうすると、
まちがって操作したデータはまちがったまま、
そのまま残っていることになります。
取り消す
っていうと、
まちがったデータを
消す(=削除する)
ように思われるかもしれませんが、
そうではありません。
まちがった売上部分について、
数量をマイナスして打ちこむことによって、
いわゆる
プラマイゼロ

します。
むかし風にいうと
赤伝(あかでん)を切る
のと
同じ意味なんです。
システムでは、
この手順が簡略化され、
自動的に全品の数量をマイナスにしてくれます。
たとえば、
けっこう多いまちがいは、
クレジットカードのお買い上げを、
まちがって現金で打ちこんでしまった

って場合。
現金をクレジットに変更する
という手順ではなく、
まちがった現金売上について、
あとで同じ数量だけマイナスしてもういちど売上入力します。
  1. まちがったレシートは回収
  2. 笑顔キープで正しい操作をやり直す
  3. 正しいレシートを発行して渡す
  4. 笑顔でお客さんに応対終了

──ここまでの接客がとにかく肝心。
ここからは自社内の管理ですから、
スピード優先ではなくなるのです。
なので、
手のすいたときに
  1. まちがったデータをマイナスして取消

します。
こうすれば確実に、
お客さんごとの売上も、
担当者ごとの売上も、
商品ごとの売上も、
キャッシュドロア内の現金在高も、
商品在庫も、
ぜんぶきちんと合う
のです。